「機材はあすも取り扱うからすすぎ終わったら全額車内に戻しておいてください」
 場当たり的な手ほどきだけ出すとN・Mは一足短く母屋へと入ってゆく。
「全て、あとは私がやっとくからバス入ってきて」
 途中でN・Hが考えを利かせて、洗った農機具をみずから片づけてもらえると言うので門下生たちは庭先で一斉に足袋を脱いで我先にと母屋へ入って出向く。
「人使い荒いっすよね、あの人」
「忽ちなんだよな。こいささか達洗いざらい初めてだっつーのに……」
S・KとN・Tは誰に聞こえみたいがそっちのけと言わんばかりにヤキモキをぶちまけながら着替えを取りに行った。M・Tが依然N・Hのとなりで状況を手伝っていたのでボクはサンダルに履き替えた先、二人の元へ折り返す。
「あのタッグは逆鱗心頭みたいだけど、M・T氏とA・I氏は偉いよね。私の予想では二人とも決断があるし先ず、遅れるような考えがしてる」
「遠のけといた方がいい。前もってあいつらは決断乏しいだし、まともに注意したところでむだに成し遂げるだけだよ」
「まとまらなきゃまとまらないでキツいけど、ウチ達中心でやってくしかないのかな」
「そうするしか乏しいだろ」
 かりに友達個々とは言え、昔の誼ですとか幼馴染みなどというフィルターを外さなければ道場ではあぶれてしまうかもしれない。それは分かっているのだが、タイミングのやり方と共にお互いにリライアビリティが薄れて赴き、少しずつ決意や器量に差がついて行くのは実にさびしいような気もした。キレイモ 値段